ぱんどらノバコ

漫画業界についてとか、いろいろ突発的に書いてみたりするかもしれないつぶやき

業界を駄目にするのは「今の漫画が面白くないのは年をとったから」

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「今の漫画が面白くないのは年をとったから」

 

ネットでよく見かけるワードです。(スクリプトではない)

 

「最近の漫画は面白くない」と発する人に対して言われることが多く、おそらく発する人は面白い作品を知っているのでそう反論していると思われますが、比較的論理的に「最近の漫画」論を述べている人に対しても、片っ端から言っていることもあるので、javascriptに見えてくるこのワード。

 

この言葉自体は結構前から見かけました。少なくとも2000年頃には。その頃も、今のやり方では漫画業界は駄目になるんじゃないか、と発言する人がちらほらいました。自分も編集部と直接接してる関係で同じように感じてたので、内部を知っている者として匿名で発することもありましたが、ことごとく上のワードと罵倒放射砲を浴びました。他に、売れない漫画家が妬んで言っているというワードもありました。単純に内情を知っているので問題提起しているだけなのですが、当時は話すらできなかった。漫画バブル期の200万部以上出してた元編集長も言ってたんだけどなぁ…。

 

本題に戻りますが、

「今の漫画が面白くないのは年をとったから」

 

これは、間違いです。

なぜなら、自分が漫画を大量に読み漁ったのは、年を取っているはずの2000年代後半だからです。

そして、ヒットした作品はほぼ全部面白かった!

 

もともと漫画をそんなに読まないのもあり、漫画業界に関係した頃から描くほうに専念する関係でまったく読んでませんでした。送られてくる雑誌を、作家さんにお会いすることもあるのでちょろちょろ読む程度。切り替えがへたくそなので、意識してしまって駄目なのです。その後、お家騒動に巻き込まれ、別のところも本体自体が駄目になり、放浪の旅に。他の編集部の方と話している際に、漫画の勉強をしようと一気に読んだのです。

 

いわゆるヒットした作品というのは、いつ読んでも面白いんですね!

もし本当に「今の漫画が面白くないのは年をとったから」ならば、年をとった自分には、90年~00年代作品であろうがつまらなかったはずですが、その時連載している作品でも、人気がある作品は面白かった。

 

正確には

「人気のある作品は何歳の人が読んでも面白い」

ではないでしょうか。

 

そういえば、ボッシュートした兄弟のスラムダンクを親が読んでたような…w

↓これな

スラムダンク (1) (ジャンプ・コミックス)

スラムダンク (1) (ジャンプ・コミックス)

 

 

なお、2000年前半頃には耳も傾けてもらえなかった、漫画業界このままではやばいよ論は、最近では読者のほうも気づいたのか、罵倒されるという妨害なしに普通に話せるようになったわけですが、ちょっと時すでに遅し、かもしれません。2000年初め頃には編集者の大先輩が指摘されてたわけですから…。大手出版社元編集長が指摘されてたのは編集者の質に対してでした。そのことはまた。

 

「今の漫画が面白くないのは年をとったから」と現実から逃避し、問題の本質を見ないことが問題。